肥前狛犬を巡る旅「小城」
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ブリット野口です。
「サイクルガイドツーリズムの可能性」
自転車を活用して小城市内を周遊する仕組みを考える「小城リビングラボ」の活動が2023年3月に終わり、動きがないまま半年が過ぎた。小城市民のサイクルツーリズム熱が冷めないように地域資源を活用したサイクルガイドツアーを企画した。
「サイクルガイドツアーの概要」
商品名:里山サイクリング小城「肥前狛犬を巡る旅」
内容:小城市の肥前狛犬を自転車で巡り、歴史を学びながら自転車運動を体験する
データ:距離15㎞、滞在時間3時間(走行時間1時間30分、見学時間1時間30分)
レンタルバイク:電動アシスト自転車(パナソニック3台、ルイガノ3台)
「里山を巡る自転車散策に地域資源を組合わせる」
戦国から江戸時代に肥前と筑後地方に限定的に分布し、150年で消えた石造物文化「肥前狛犬と肥前鳥居」を自転車で巡る里山サイクリングは、集落の奥に祀られている神社や祠へ向かうため、狭い路地を自転車で通り抜けることが多くなる。出会った地域住民に挨拶をしながら、通行の邪魔にならないように気を配る。
休憩ポイントで「肥前狛犬の製作者である石工集団の活躍」や「気軽に始めやすくハードルが低い自転車運動の健康価値」を参加者に伝える。小城市で開催された肥前狛犬のパネル展や肥前鳥居の勉強会で得た知識が役に立った。肥前狛犬は盗難防止のため所在地を公表できない。
「フィールドに合う自転車を選ぶ」
参加者は手ぶらで参加可能。タイヤが小さい「ミニベロ」は小回りが利くので史跡巡りと相性が良い。ルイガノは自動変速機構を搭載しているため、ギア操作は必要ない。操作はアシストの強弱だけ。サドルの高さは走りながら手元のレバーで調整ができる。
機械操作を減らすことで余裕が生まれ、風景を楽しむ時間が増える。初心者にとって大切なことだ。
「マウンテンバイク」は未舗装路に強い。稲刈が終わり、泥が落ちている農道で性能を発揮した。パナソニックはイノシシの痕跡を辿る「狩猟サイクリング」で使う予定だ。
「電動アシスト自転車の運搬方法」
レンタルバイク(電動アシスト自転車)を集合場所に運搬するには工夫が必要だ。重いMTB3台を車内に積載し、軽いミニベロ3台はサイクルキャリアを利用した。バッテリーを外すと3台で8㎏軽くなり、サイクルキャリアの最大積載量54㎏をクリアできる。
ちなみに、スポーツカーは積載スペースに制限があるため、トランクにブロンプトンを収納するスタイルがオススメ。
このスタイルは行きと帰りにクルマの走りも楽しめ、クルマ好きに好評だ。
「小城の石工集団とは?」
石工とは、城などの石垣づくりや土木事業を行った技術者集団で、普段は農業を行い、頼まれたときに石工になる人たちのこと。
小城市には戦国時代から江戸時代にかけて2つの石工の集団が存在した。
ひとつは、牛津の砥川谷村を拠点とした「砥川石工」、もうひとつは、三岳寺周辺を拠点とした「西川石工」。
この集団は豊臣秀吉の大阪城や肥前名護屋城、徳川家康の江戸城の築城などで功績を挙げたと伝えられている。佐賀では佐賀城の築城や石井樋の築造や修理などの治水、土木事業で中心的な役割を果たしていたが、平和な社会が訪れ、人々の生活が安定していくと、石仏や石造物などをつくる集団や有明海の干拓事業に従事する集団などに分かれていった。
「自転車の健康価値とは?」
自転車は座った状態でペダルを漕ぐため、足にかかる衝撃がランニングに比べると1/4少ない。肥満の人も始めやすく、痛みや故障が起きにくいため、継続しやすい運動である。
また、自転車に一度も乗ったことがない人や乗れない人もほとんどいないので、気軽に始めやすくハードルが低い。「誰でもできる、いつでもできる」ことが自転車運動の特徴である。
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