ローカリズムとビジタリズムの幸せな関係

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「なんかサーファーみたいっすね」 

マウンテンバイクの「フィールド」を知り合いのアウトドアガイドに説明したときの感想だ。「遊ぶ場所、遊び道具、遊び方」自由になれる環境は意外と少ない。

サーフィンのカルチャーについて、ほとんど知らなかったので少しだけ調べてみた。たしかに似ていると感じた。サーフィンも「地元民」と「訪問者」の関係が問題となっているようだ。どのスポーツにも基本ルールがあり、マウンテンバイクコースにもルールがある。ビジターが、ルールを知らないまま走ると、難易度が高いコースに入って、転倒して怪我をしたり、危険な状態になる。ローカルライダーはコースコンディションや難易度を熟知している。特にダウンヒルライダーはフルフェイスで不気味な感じだが、ビジタリズムを尊重してくれるローカルライダーもいるので、まずは挨拶をしてみよう。

私自身のマウンテンバイクのコースデビューは、嘉麻市の「遊人の杜」だった。ルールがわからず、コソコソ走っていたが、ローカルライダーに声をかけてもらい、楽しい一日を過ごすことができた。そこで開催されたダウンヒル大会に仲間と参加するようになり、ダウンヒルにハマっていくのだった。

マウンテンバイクの「フリーライド」は「サーフィン」と共通点が多い。「サーフトリップ」という言葉があるように「マウンテンバイクトリップ」も存在する。ローカルライダーがホームコースやトレイルを案内する旅だ。ビジターはライドを楽しみ、新しい発見をすることが喜びとなる。それがローカルライダーの喜びにもなり、喜びが連鎖していく。また、ガイド役のローカルライダーはラィディングスキルも必要だが、速いだけではリスペクトはされない。地元の人との出会いや旅の景色も含めた「カルチャー」を学ぶ機会を与えることも重要だ。それがマウンテンバイクトリップの醍醐味でもある。やがて、ビジターが帰路につき、ホームコースを走ったときに「また、あの場所を走りたい、あいつに会いたい」と思いが募り、各地でマウンテンバイクトリップが繰り返されていく。

ローカリズムとビジタリズムの幸せな関係は、その地域の「カルチャー」を学ぶこと。

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