ブリットサイクリングクラブが「鬼の鼻山MTB-XC大会」を続ける理由とは?
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ブリット野口です。
佐賀県多久市の鬼の鼻山公園で開催された「鬼の鼻山MTB-XC大会」は、熱狂のうちに幕を閉じました!
QMXシリーズ戦にふさわしい白熱したレース展開の裏側には、私たちブリットサイクリングクラブ(以下、BCC)のメンバーが大会成功のために重ねた、地道かつ革新的な仮説検証と課題解決の実践がありました。単なる運営スタッフとして参加するだけではなく、「スポーツバイクを文化として広める」というクラブの理念を実現するため、私たちの取り組みを振り返ります。
1. 困難を乗り越えた先に見えた「スポーツバイク文化」の定着
幾多の困難を乗り越えて継続してきた本大会は、九州マウンテンバイククロスカントリーの熱気を象徴する場となりました。BCCメンバーは、行政や地域との調整を経て、この美しい里山を舞台とする最高のコースと環境を用意し、大会を運営する体験を共有しました。
私たちにとって、運営スタッフとして活動することは、「地域に根差したスポーツ文化を定着させる」というクラブの理念を実践で検証する機会です。選手が最高のパフォーマンスを発揮できる環境、そして、観客が心から楽しめる「おもてなし」を提供できたことは、大きな成功体験となりました。
2. プロフェッショナルな技術の集結が生んだ最高の「チームワーク」
大会の成功を支えたのは、BCCメンバーが持つ多様な専門技術の融合でした。まず、特筆すべきは、コース整備におけるプロフェッショナルな実践力です。メンバーは、自身の持つ乗用草刈機、ダンプ、そして、ユンボ(油圧ショベル)といった重機操作のスキルを投入し、安全基準を満たした高品質なコースを短期間で作り上げました。
また、BCCメンバーは自転車競技者または自転車愛好家であるため、コース設営は常に「競技者目線」で行われました。レース直後のライダーたちから、「コースレイアウトが明確で面白かった」「安全性が考慮されていた」といった声が寄せられ、事前に立てた仮説が正しかったことが検証されました。
さらに、大会の熱狂を伝える写真は、SNSを通じて大きな反響を呼びました。スタッフが提供した「フォトアルバム」は、大会の感動を広く伝え、「鬼の鼻山」の魅力を最大限に引き出しました。
2025鬼の鼻山フォトアルバム
3. 「配置換え」で鍛えた組織力と「チームビルディング」の成果
今回も大会運営における中核となったのが、意図的な「配置換え」を軸としたチームビルディングです。メンバーは担当をローテーションすることで、互いの業務を深く理解し合いました。例えば、普段はコースを管理するメンバーが音響担当に回ったことで、担当不在による突発的な問題に対し、特定の個人に依存せず、多角的な視点からの迅速なフォローが可能となりました。
このレジリエンス(課題解決能力)の向上こそが、大会全体を通して、大きなトラブルなく進行できた最大の要因です。メンバーの一人ひとりが担当を超えた経験を積んだことで、組織全体の強度が格段に増したことを、私たちは体験として実感しています。
4. マンネリ化を打破した「新しいチャレンジ」と解決策の実証
私たちが大会ごとに実践する「課題解決のサイクル」は、今回の成功を決定づけました。事前に設定した二つの大きな課題に対する新しいチャレンジは、明確な成果を生み出しました。
➀ 情報伝達の革新
<WiFiを活用した駐車場アナウンスの成功>
前回大会の大きな反省点であった、会場から離れた駐車場へのアナウンス不足によるタイムスケジュール遅延という課題。これに対し、私たちは駐車場にスピーカーを設置し、WiFiを利用して本部席から音声を飛ばすシステムを採用しました。
【検証結果】
このシステムは大当たりでした。駐車場にいる参加者へも招集時間やレース状況がリアルタイムで伝わり、招集遅れによるタイムスケジュールの遅延はゼロという目標を達成。デジタル技術を駆使したこの解決策は、参加者へのおもてなしの質を劇的に向上させました。電気の知識を持つメンバーのスキルが、大会運営の重要な課題解決に直結した成功事例です。
➁コース整備の極限効率化
<重機連携による作業時間の大幅短縮>
コース整備における草刈作業の効率化という恒常的な課題に対し、今回はダンプと油圧ショベル(ユンボ)を組み合わせた草刈作業後の処理の連携に焦点を当てました。
【検証結果】
ユンボが集積し、ダンプが一気に搬出するという連携を実施した結果、草刈作業後のゴミ処理時間が昨年比で約30%短縮されました。これにより生まれた時間を、ライダーの安全に直結するコース内の危険箇所(ギャップや根)の最終点検に充てることができ、最高のコンディションで選手を迎え入れることができました。重機のプロフェッショナルなスキルが、運営のボトルネックを解消するという解決策として機能することを、改めて実践で検証できました。
終わりに
2025年「鬼の鼻山MTB-XC大会」は、熱戦と感動の記憶だけでなく、BCCのチームとしての成長を示すマイルストーンとなりました。私たちにとって、大会運営は単なる業務ではなく、「体験」「仮説検証」「課題解決の実践」というサイクルを回し、常に進化し続けるための生きた実験場です。
この成功体験を糧に、これからも佐賀からスポーツバイク文化の定着という大きな目標に向かって走り続けます。ご参加、ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました!