AIに10年分のブログを分析してもらったら、自分でも気づいていなかったことが見えてきた
ブリット野口です。
最近、「BULLITT SATOYAMA LAB.(里山ラボ)」というAIチャットを公開しました。
これは、私が10年以上書き続けてきた400本以上のブログ記事をAIに学習させ、自由に質問できる仕組みです。
もともとは、里山ガイドツアーの参加者が予習や復習に使えればと思って作ったものでした。しかし、実際に使い始めてみると、一番質問しているのは私自身でした。
「自分は何を考えてきたのか」
「何が変わり、何が変わっていないのか」
そんなことを知りたくなったのです。
暮らしの軸が変わった
AIとの対話の中で、私は一つの仮説を立てました。
「2020年頃から、ブログの内容が大きく変化しているのではないか」ということです。確かに思い当たる節があります。
コロナ禍をきっかけに、私の暮らしの軸は少しずつ変わりました。店は佐賀市鍋島にあります。しかし、考え事をするときも、山を歩くときも、新しいことを試すときも、私は厳木のガレージにいました。気がつけば、自転車店を営みながらも、生活の重心は厳木へ移っていました。
2022年には地域限定旅行業を登録し、同じ年に狩猟も始めました。今、振り返ると、それらは原因ではなく結果だったのかもしれません。暮らしの軸が変わったから、旅行業も狩猟も始まったのです。
AIが見つけた変化
AIは400本の記事を読みながら、私のブログを三つの時期に分けました。
最初の頃は、自転車店のブログでした。商品紹介やイベント、レース、メンテナンスの記事が中心です。もちろん、その頃から山や自然への興味はありました。しかし、主役はあくまで自転車でした。
次の時期になると、里山やMTB、地域資源という言葉が増えていきます。そして、現在の記事には、「狩猟、炭焼き、空き家、アドベンチャートラベル、地域の歴史」といったテーマが頻繁に登場します。私自身も、自転車店主から里山ガイドへ変化している感覚があります。
ところが、AIは別のことを指摘しました。
本当に変わったのは何か
AIは「変わったのは対象であり、見方ではない」と分析しました。
昔は自転車を見ていた。今は猪や炭、空き家や里山を見ている。しかし、その奥にある思考のパターンは昔から変わっていない、というのです。
私は少し驚きました。確かに記事を読み返すと、自転車の話を書いている頃から、「情報より思考」、「道具を通して世界を理解する」、「身体を使って学ぶ」という考え方が何度も出てきます。現在の狩猟や炭焼きの記事にも、同じ考え方が見えます。対象は変わった。しかし、物事の見方は変わっていなかった。むしろ、昔からあったものが前面に出てきただけなのかもしれません。
なぜ里山ラボを作ったのか
私は当初、里山ラボを「記事検索システム」のようなものだと思っていました。しかし、AIとの対話を重ねるうちに考えが変わりました。
里山ラボは検索のための道具ではありません。自転車、MTB、狩猟、炭焼き、アドベンチャートラベル。一見するとバラバラに見える活動の奥にある共通のプリンシプルを発見するための装置です。そして、それは私自身のためでもあります。
過去の記事を読むだけでは見えなかったものが、AIとの対話によって浮かび上がってくる。自分の思考を客観的に観察することができる。そんな実験を続けています。
旅の予習と復習のために
里山ガイドツアーでは、歴史や自然、地域資源をテーマにした体験を提供しています。しかし、体験の価値は当日だけで終わるものではありません。
「なぜガイドは空き家に価値を見出すのか」
「なぜ猪と炭鉱を同じ物語として語るのか」
「なぜ衰退する町を悲観しなくなったのか」
そんな疑問を持ったとき、里山ラボで質問することができます。そこには、私が10年以上かけて積み上げた記録があります。もしかすると、その対話を通じて、参加者だけでなく私自身も、まだ気づいていない新しい発見に出会えるかもしれません。
「BULLITT SATOYAMA LAB.」は、答えを教える場所ではありません。10年の記録を材料に、自分自身や地域について考えるための実験場です。
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