在宅避難と自転車

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ブリット野口です。

「災害時の避難について、コロナ禍を考慮した在宅避難を考えてみた」

「災害時はなにはともあれ避難所へ!」と考えている人も多いかもしれないが、近年は「災害時に自宅で居住の継続ができるようであれば、在宅で避難すること」が推奨されている。

東日本大震災以降、「倒壊の心配が少ないマンション住民は、できるだけ自宅に留まって生活できるように備えてほしい」という方針を打ち出している自治体が増えている。避難所には収容人数の限界があるというのが理由の一つだ。避難所での待機が優先される人のために、耐震力のあるマンションの住民は、災害時に一定期間、自宅で避難・被災生活に対応できる備えをしておく必要がある。被災時でも、普段自分が暮らしている空間でプライバシーを保ちながら生活できるという点は大きなメリットだ。水道や電気、ガスなどのライフラインが使えない状態でも、約1週間は乗り切れるように備えておくことを推奨している。

「在宅避難に必要不可欠な非常食・水分」

在宅避難のポイントは、はじめに冷蔵庫や冷凍庫の中のものから消費すること。停電などで庫内の食品が腐ってしまい、不衛生になる。食べて減らすことで、腐敗などのトラブルを防ぐ。そのため、最初の数日は非常食ではなく、日常食品を食べることになるため、非常食は5日分ほどの備えを目安にすること。水道については使えない可能性が大きいので、水(ペットボトルなどに入ったもの)を多めに備蓄しておくと安心だ。

長期間保存が効く非常食は、数年ごとに入れ替えが必要になり、管理が少し面倒だという方もいるかもしれない。近年、普段から口にする缶詰やインスタント食品を多めに購入して、普段から食べながら防災用にもストックしておくという「ローリングストック(回転備蓄)」も一般的になっている。この方法だと、避難生活中でも、普段から慣れ親しんだ食事を食べられるので、ストレスを軽減する効果もあると言われている。また、温かいものを食べると落ち着く効果もあり、避難生活の不安を和らげることにつながる。お湯を沸かせるようカセットコンロとカセットガス(1週間分で4本程度)も用意しておくこと。

「情報収集や連絡を行なうために」

情報収集や家族との連絡を行えるように、スマートフォンなどのモバイルツールがいつでも使えるようにしておくことが大切だ。停電で充電切れにならないよう、備えが必要である。

お勧めは、ソーラー式充電器や電池式充電器などのアイテム。充電器は大容量のものであればスマホの充電だけでなく、ライトや扇風機、電気ストーブなどにも使用できるので、季節を選ばず役立つ。ソーラー式は、地域や季節によって発電能力などに違いが出てくる。どれくらいの天候でどれくらいの発電が可能なのか、また、どれくらい使用できるのかを事前に検証して、3日程度対応できる容量を選ぶこと。手回し式のラジオやライトにも、スマートフォンなどを充電できる機種もあるが、こちらは長時間の使用には向かない。1台あると便利だが、その他に人の手を使わなくても、発電や蓄電が可能なアイテムを用意しておくことを推奨する。

「予行演習にはキャンプがオススメ!」

備えた防災用品・避難生活用品をいざという時に使えるようになるために、年に数回は予行演習をしてみることが大切だ。実際に使用してみると、必要な用品の過不足を知ることができる。

避難生活の予行演習にはキャンプや車中泊がお勧め。電気や水道などライフラインが途絶えた生活をレジャー感覚で体験できる。特にキャンプ用品は、そのまま避難生活に使えるものばかりで、レジャーと非常時への備えを両立できると考えれば、家族も納得するはずだ。本格的なキャンプ場に行かなくても、週末を使って、自宅で避難生活のシミュレーションをしていれば、いざという時に役に立つ。

「災害時に自転車を使う」

災害に備え、様々な物資を用意するだけではなく、災害時に物資を避難所へ運ぶ場面も考える。交通インフラの被災時は、交通集中により車移動が困難となり、自転車移動は有効的だ。普通の自転車では積載できない重い荷物をサイクルトレーラーを牽くことで「備える」「積載する」「移動する」の3つの要件が全て解決できる。また、「電動アシストマウンテンバイク」は、災害時以外でキャンプやバーベキューなどのアウトドア、機材や資材の運搬など、多目的な用途で活用ができる。これから社会に普及していくはずだ。

「遊びながら学ぶ」

私が住んでいる地域は、山に囲まれているので、土砂崩れに巻き込まれる可能性が高い。インフラが寸断され、クルマでのアクセスができない孤立した集落になると予測している。

装備している防災用品、避難生活用品、キャンプ用品、周りにある資源を使って、遊びながら学べば、在宅避難の訓練となる。最終的な安全装置は自分自身のサバイバル能力であり、それを高めることが重要である。

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