ドローン生活はじめました

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ブリット野口です。

「ドローンの魅力」

ドローンの機材を購入してから2年が経過した。そもそも、ドローンに興味を持ったのは、空撮映像はロケーションを伝えやすく、自転車と相性が良いと感じたからだ。しかし、実際に興味を持ったのは、戦闘機のようなドローンレースの映像で、レース機材の世界へ足を踏み入れてしまうアマチュア無線免許4級の取得、無線局開局の登録、フライトシュミレーターなど、資格や機材調達を繰り返しながら、飛行時間が100時間に達した2022年12月、ようやく安定した飛行ができるようになった。ドローンのメリットは、これからの社会が必要とする「遠隔操作」を遊びながら学べることにある。バーチャルな映像を見ながら遠隔操作をする感覚は、衝撃や機材の振動など、身体に伝わるダイレクトな情報から操作をする自転車とは全く違い、視覚と指先に全集中し、コントローラーを動かすゲームの世界に似ている。しかし、ドローンはゲームと違い、リアルな機体を遠隔操作をするので墜落事故は許されない。飛行練習ができる環境と時間の捻出が課題となるので、田舎暮らしの人にお勧めしたい。自宅周辺は空地が多く、電線も少ない。さらに近隣住民の理解も得やすいという環境は、マウンテンバイクのフィールドと似ていて、パンプトラックで周回飛行や8の字飛行を繰り返す日々が続いた。

「国内のドローン事情」

2021年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は2308億円と推測され、2020年度の1841億円から467億円増加している。(前年度比25.4%増)2022年度には前年度比34.3%増の3099億円に拡大し、2027年度には7933億円に達すると見込まれる。これは、年間平均成長率(2021年度~2027年度)に換算すると、年22.8%増加することになる。

分野別に見ると、2021年度はサービス市場が前年度比38.5%増の1147億円となり、最も大きい市場である。また、機体市場は前年度比14.1%増の693億円、周辺サービス市場は前年度比15.6%増の468億円となり、各市場とも今後も拡大が見込まれている。
2027年度においては、サービス市場が5147億円(2021年度~2027年度の年間平均成長率28.4%増)と最も成長し、機体市場が1788億円(同年間平均成長率17.1%増)、周辺サービス市場が998億円(同年間平均成長率13.5%増)に達する見込みである。サービス市場の中の物流分野においては、昨年度の推計より成長に遅れが見られるが、その他の市場や分野は昨年度の見込み通りの成長が見られる。機体市場は、国内および海外メーカーから、農薬散布、点検、物流、測量など用途に合わせた様々な産業用機体が販売され、機体メーカーは、2021年度も各産業分野のニーズに併せた機体を相次いで投入している。市場が堅調に拡大するとともに、社会課題の解決に向けたドローンの利用が促進されるとみられ、公共機関やインフラの点検用途などの分野を中心に機体の国産志向が強まっており、国内メーカーにも注目が集まっている。

「ドローンを活用したクリエイティブな仕事」

ドローンは多くの人が考えているよりも、はるかに早く私たちの身近なものになろうとしている。そこに目をつけた人は、自分の仕事にドローンを活用していて、業務の効率化を図ったり、目新しさを取り入れることで集客を行ったり、新しい挑戦をしている。

配達や農業だけでなく、映画やCM、PV撮影といったクリエイティブな現場でも、ドローンを使う機会が増えている。映画、CM、ミュージックビデオ撮影などのクリエイティブ分野における空撮は、早くからドローンが使われ、DJIが映画撮影などにも使える空撮用ドローンを充実させたことにより、多くの事業者や個人が(クリエイティブ分野の)空撮事業に参入した。当初は映画撮影をする場合は、大型ドローンにシネマカメラを搭載するような形が主流であったが、2018年頃からは手のひらにのるほど小さなマイクロドーンを用いた空撮が取り入れられるようになり、大型ドローンでは難しかった、狭い空間の通り抜けや、スピード感あるシーンの撮影など、よりクリエイティブな動画の撮影を可能にしている。こうしたマイクロドローンは、GPS非搭載で気圧センサーなどのセンサー類も搭載されていないことが多いため、映画や動画撮影において、操縦には高い技術が求められ、ドローンレーサーなどの新しい人材が撮影を請け負うことが多くなっている。

「ドローンビジネスの可能性」

産業用ドローンは自動化が進み、将来的にはオペレーターの需要は減っていく。しかし、小さなビジネスではチャンスがあり、私自身の取組では、狩猟の調査とマウンテンバイクのライブ配信に可能性があると感じている。

狩猟の効率化を狙う」

罠をかける場合、獲物がいない場所に設置しても捕獲はできない。尾根や谷などの地形、日照条件による植生など、空撮でイメージを膨らませ、山に入ると、獲物の動きが理解しやすくなる。

DJIは飛行ログが地図上のデータとして残り、履歴を解析していけば、捕獲率は上がるかもしれない。釣り業界では、ソナー、魚群探知機、GPS、気象データなど、デジタルツールの活用が進み、経験値とデータを組合わせ、解析ができる船長が、釣果を残している。

「マウンテンバイクレースの空撮」

レースドローンは、DJIドローンとは違い、GPSを使わないので、狭い場所を通り抜けたり、スピードを出したり、回転したり、自由自在に操ることができる。

ダウンヒルレースは、スタート地点とゴール地点が離れているため、観客の大半はゴール地点にいて、選手が森の中を走り抜けたり、空中へジャンプしたり、壁のようなバンクを走り抜けるシーンをリアルに見ることができない。ドローンを使ったライブ配信があれば、観客も楽しむことができる。

世界大会では、複数のカメラを使って選手を追った臨場感のある映像がリアルタイムで配信されている。ローカルレースでもドローンを使った映像を配信すれば、レースシーンが盛り上がると思う。

ドローンのメリットは最短距離でスタート地点に戻れること。通信やバッテリーの問題など、まだまだ課題はたくさんあるが、近い将来、ドローンはスポーツの撮影機材として、当たり前の道具になっていくだろう。

「FPVドローンとは?」

FPVとは、「First Person View(ファースト・パーソン・ビュー)」の略で「一人称視点」のこと。操縦者はドローンが映し出す景色を見ることができる。通常、FPVでの映像は、送信機(プロポ)に取り付けたスマホやタブレットなどに映し出され、ドローンを操縦していても、空からの映像を見ることができる。カメラ撮影に対応していれば、写真や映像を撮ることもできる。趣味の空撮はもちろん、業務で利用する時にも、FPVによる映像確認は利用されており、ドローンの世界において、FPVはもはやなくてはならない存在になっている。

FPVはドローンに搭載した映像送信機(VTX)から映し出した映像を映像受信機(VRX)へ電波で送信する方法が一般的で、最近のドローン(DJI)は、ドローン本体で撮影した映像をデジタル変換し、2.4Ghz帯で伝送を行っているケースも増えてきた。

この方法は、無線LANを活用して送信を行うため、ドローンの実際の映像と映し出される映像には若干のタイムロスが存在するが、通常の空撮や業務用途では、FPVはあくまでもドローンの機体位置の確認やカメラアングルの調整など、機体を操縦するパイロットの補助的役割であるため、あまり問題にならない。よほどの特殊な状況(目視外で極端に場所が狭いところ)でない限り、十分に活用できるレベルとなっている。

現在、人気を集めているドローンレースの場合、このような通常の用途とは違い、シビアな操作感が求められる。そのため、ほぼリアルタイムでの視認が必須なため、デジタル変換を行わずに、主に5.8Ghz帯の周波数を用いて映像伝送する方法が一般的である。 ドローンレースなどで、5.8Ghz帯を使用する場合、個人用途では「アマチュア無線4級」以上の資格(ビジネス用途では「第三級陸上特殊無線技士」以上)が必要となる。また、これ以外にも、ドローンが発信する電波に対しての申請が必要なため「無線局開局の登録」も必要になってくる。「無線局開局」には、開局する無線機の仕様書が必要になり、ドローンレースは始めるまでのハードルが高い。このように、使用するドローンの用途に応じて、FPVの方法やルールも異なってくるので注意が必要だ。

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