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【多久市東多久町】肥前狛犬を巡る里山サイクリング:地域資源を組み合わせるサイクルツーリズムの可能性

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ブリット野口です。

肥前狛犬を巡る旅を続ける中で、私の考えは少しずつ変わっていきました。

最初は「肥前狛犬を探す旅」でしたが、回を重ねるにつれ、それだけでは地域の魅力を十分に伝えられないと感じるようになりました。

そこで考えたのが、地域資源を組み合わせたサイクルガイドツアーです。

「今回の東多久編では、新たなルートを開拓し、旅行商品化を見据えたモニターツアーを実施しました。

地域資源を組み合わせることで旅は面白くなる
サイクルガイドツアーでは、目的地だけではなく、その土地の歴史や暮らし、人との出会いも大切な地域資源です。
今回のモニターツアーでは、参加者の反応や移動時間、休憩のタイミングなどを確認しながらルートを検証しました。
参加者は45歳から70歳。歴史や文化に興味を持つ世代に合わせ、新緑の多久市をゆっくり走る約20kmのコースを設定しました。自転車で無理なく巡れる距離だからこそ、地域の魅力をじっくり味わうことができます。

肥前狛犬と肥前鳥居が伝える石造文化
東多久にも、神社や祠に肥前狛犬や肥前鳥居が静かに残されています。風雨に耐えながら地域を見守り続けてきた石造文化財は、佐賀の歴史を今に伝える貴重な存在です。私はこれまで約100体の肥前狛犬を自転車で巡ってきました。

その経験から感じるのは、肥前狛犬は「見る文化財」ではなく、「地域を知る入口」だということです。一方で、盗難被害が増えたことで、本殿に保管される肥前狛犬も増えています。

そのため、ツアーを開催する際には神社や祠を管理する地域の方へ事前に趣旨を説明し、理解をいただいた上で実施することを大切にしてきました。地域に受け入れられてこそ、サイクルツーリズムは長く続けられると考えています。

酒蔵も里山を語る大切な地域資源
今回の東多久編では、創業1830年の東鶴酒造を訪ねました。肥前狛犬とは一見関係がないように思えますが、私は酒蔵も地域の歴史や文化を伝える重要な資源だと考えています。

現6代目当主・野中保斉さんは、一度は酒造りから離れながらも、「本当においしい日本酒を造りたい」という思いで酒蔵を復活させました。

その姿勢は、伝統を守りながら新しい挑戦を続ける地域づくりにも通じています。

酒造りを経験したガイドだから伝えられること
実は、自転車店を開業する前、私は唐津市の酒蔵で働いていました。
酒造りの厳しさや職人の仕事を経験していたからこそ、酒蔵見学では建物だけではなく、設備や製造工程、働く人の思いまで参加者へ伝えることができます。

ガイドは知識を説明するだけではありません。
自分自身が体験したことを通して、その土地の魅力を伝えることが役割だと考えています。

参加者の中にも酒造りを経験した方がいて、蔵元との会話は予定時間を超えるほど盛り上がりました。

その時間こそ、このツアーならではの価値だったと思います。

モニターツアーで見えたこと
今回のルートを検証して感じたのは、肥前狛犬だけでは一日のツアーとしては少し物足りないということでした。しかし、肥前狛犬、肥前鳥居、酒蔵、里山の風景、地域の歴史など、これらを一つのストーリーとして組み合わせることで、旅の満足度は大きく高まります。

この頃から私は、「地域資源は単独ではなく、組み合わせることで価値が生まれる」と考えるようになりました。

肥前狛犬とは
肥前狛犬とは、16〜18世紀に現在の佐賀県・長崎県・福岡県西部で奉納された狛犬の総称です。丸みを帯びた表情や素朴な造形が特徴で、多久市をはじめ県内各地に数多く残されています。一体ごとに異なる表情を見比べながら巡ることも、肥前狛犬巡りの楽しみの一つです。

東多久編が教えてくれたこと
このモニターツアーは、単に新しいルートを試しただけではありません。

「肥前狛犬を入口に、地域の文化や人、ものづくりを伝える。」

そんなサイクルガイドツアーの形を模索した一日でした。

現在取り組んでいる里山ガイドも、この頃の試行錯誤が土台になっています。

あわせて読みたい
多久市東多久編をご覧いただいた方は、ぜひ他の地域の肥前狛犬巡りもご覧ください。
①【佐賀市鍋島】肥前狛犬を巡る里山サイクリング:里山を自転車で巡るサイクルツーリズムの可能性
②【唐津市厳木町】肥前狛犬を巡る里山サイクリング:里山の旧道を自転車で巡るサイクルツーリズム
③【唐津市相知町】肥前狛犬を巡る里山サイクリング:歴史遺産とサイクルツーリズムの可能性
④【佐賀市諸富】肥前狛犬を巡る里山サイクリング:路地裏を走ることで見えてくる佐賀の歴史と暮らし
⑤【小城市小城町】肥前狛犬を巡る里山サイクリング:歴史資源×電動アシスト自転車で楽しむガイドツアー
⑥【多久市東多久町】肥前狛犬を巡る里山サイクリング:地域資源を組み合わせるサイクルツーリズムの可能性
⑦【唐津市相知町】肥前狛犬を巡る里山サイクリング:石積の絶景「蕨野棚田」を自転車で巡るガイドツアー
⑧【番外編】肥前狛犬巡りはこうして始まった:10年間ルートを探し続けた共同開拓者の物語

編集後記
この記事は2年前に公開した記録をもとに再編集したものです。当時の考えや現地での体験はそのままに、現在の視点で読みやすく構成し直しました。試行錯誤の過程も、このブログの大切な記録として残しています。

 


 

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