第7話|2027年、BULLITT SATOYAMA LABへ。暮らしとフィールドが重なる場所|山は変わらない、私たちの「遊び方」が変わっただけ ~七山・鬼の鼻山・厳木をつなぐ20年の循環記~ | 自転車のことなら佐賀市鍋島のサイクルショップブリットへ

第7話|2027年、BULLITT SATOYAMA LABへ。暮らしとフィールドが重なる場所|山は変わらない、私たちの「遊び方」が変わっただけ ~七山・鬼の鼻山・厳木をつなぐ20年の循環記~

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山は変わらない、私たちの「遊び方」が変わっただけ ~七山・鬼の鼻山・厳木をつなぐ20年の循環記~
第7話|2027年、BULLITT SATOYAMA LABへ。暮らしとフィールドが重なる場所

20年の遊びは、次の世代に何を残せるのか?

ブリット野口です。

2007年、自転車店を始めた頃の私は、自分が20年後に「里山ラボ」という構想を語るようになるとは想像もしていませんでした。
当時の目的は、自転車の楽しさを伝えること。スポーツバイクは、単なる移動手段でも、高価な趣味でもありません。
人生に贅沢な時間を与えてくれる道具だと信じていました。その思いは今も変わっていません。
ただ、その「遊び」が20年という時間の中で、少しずつ形を変えていきました。

自転車店から始まった物語
BULLITTを始めたことで、多くの仲間と出会いました。
BULLITT CYCLING CLUB(BCC)が生まれ、七山でトレイルを作り、厳木へ活動の場を広げ、鬼の鼻山では大会運営にも携わりました。
最初は「自分が楽しむため」の活動でした。しかし、コースを作るようになると、遊び場は誰かが用意してくれるものではなく、自分たちで守り育てるものだと気づきます。
大会運営では、参加者を迎える立場になりました。安全管理やコース整備、地域との連携など、「走る」こと以外にも大切な仕事があることを学びました。
同じ山に通い続けるうちに、倒木や林道の変化、森の様子にも目が向くようになりました。そして、その先に狩猟や森林整備、炭焼き、ジビエという新しい学びがありました。
振り返ると、ひとつひとつが独立した活動ではありません。一本の道でつながっていました。

「遊び」が「学び」へ変わった20年
この活動の振り返りでは、「遊ぶ ⇒ 作る ⇒ 迎える ⇒ 気づく ⇒ 守る ⇒ 獲る ⇒ 炭にする ⇒ 食べる」という流れを紹介してきました。
どれも最初から計画していたわけではありません。その時々の問いに向き合いながら、必要だと思うことを学び、仲間と実践してきた結果です。
七山ではトレイルづくりを学びました。
厳木では山を見る視点を学びました。
鬼の鼻山では、人を迎える責任を学びました。
狩猟では、動物だけではなく森そのものを知ることの大切さを学びました。
炭焼きでは、失敗も次につながる大切な記録だと知りました。
そして、「猟師の樫炭」は、狩猟・森林整備・炭焼き・ジビエを一つにつなぐプロジェクトになりました。
今思えば、どの出来事も「次の活動」への入口だったのです。

里山ラボという考え方
2027年、私たちはBULLITT SATOYAMA LAB(里山ラボ)という形で、この20年間を整理しようと考えています。
それは、新しい施設を作ることが目的ではありません。
20年間、フィールドで積み重ねてきた経験を、再現可能な学びとして次の世代へ渡すこと。
それが里山ラボの役割です。
テーマは幅広くあります。
MTB、トレイルづくり、狩猟、ロープワーク、森林整備、炭焼き、樫炭、ジビエ、自然観察、フィールドワーク、AI、NotebookLM
一見すると別々の分野に見えます。しかし、私たちにとっては、すべて同じフィールドの中でつながっています。

仮説を立て、失敗し、また試す
里山ラボで一番大切にしたいのは、「正解を教える場所」にしないことです。自然には、人間の思い通りにならないことが数多くあります。
炭焼きで失敗したこともありました。思ったように森が変わらないこともあります。イノシシの行動も毎年違います。
だからこそ、仮説を立てる。フィールドで試す。観察する。失敗する。原因を考える。次に試す。
この繰り返しこそが、私たちが20年間続けてきた「遊び方」でした。
里山ラボは、その考え方そのものを共有する場所にしたいと考えています。

暮らしとフィールドが重なる場所へ
2027年には、活動の拠点を私が暮らす厳木へ統合する構想があります。
佐賀市鍋島で積み重ねてきたBULLITTの歴史を大切にしながら、暮らし・仕事・遊び・フィールドが自然につながる場所を目指しています。
ガレージで道具を整え、そのまま山へ向かう。
山で得た気づきを持ち帰り、記録し、仲間と共有する。
翌年には、その記録をもとに新しい仮説を試す。そんな循環が日常の中にある拠点です。

山は変わらない。変わったのは私たちだった
この活動を振り返りながら、何度も思い返した言葉があります。

「山は変わらない。変わったのは、私たちの遊び方だけ。」

20年前、私たちは山を遊び場として見ていました。今は、遊び場であると同時に、学びの場であり、仲間と知恵を育てるフィールドとして見ています。
山が変わったのではありません。山を見る自分たちの視線が変わったのです。
その20年間の記録を、次の20年へ渡していく。
それが、BULLITT SATOYAMA LABという構想の原点です。

次回予告
20年間の記録は、ここで一区切りです。しかし、物語はまだ終わりません。
この里山で、これからどんな遊びが生まれ、どんな知恵が育っていくのでしょうか。
そして、その知恵を受け取るのは誰なのでしょうか。

次回、第8話「山は変わらない。変わったのは、私たちの遊び方だった。」
20年間の物語を振り返りながら、この活動の記録、読者へ残したい問いをお届けします。

このシリーズを続けて読む
『山は変わらない、私たちの「遊び方」が変わっただけ』は、自転車店の活動から始まった20年間の記録です。
トレイルづくり、MTB大会、里山の変化、狩猟、炭焼き、ジビエ、そして「里山ラボ」へ。
ひとつひとつの出来事がどのようにつながり、現在の活動へ発展してきたのかを、全8話で時系列にまとめています。
第1話|なぜ自転車店を始めたのか
第2話|七山でトレイルをつくった理由
第3話|厳木へ広がったフィールド
第4話|山が発していたSOS
第5話|遊ぶ側から守る側へ
第6話|猟師の樫炭という挑戦
第7話|一皿に宿る里山の循環
第8話|里山ラボという答え

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