第二部|犬は山で何を感じているのか?
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ブリット野口です。
犬との山歩きは、犬を知ることから始まり、人が自然を学ぶことで深まります。この三部作では、「犬はどう歩くのか」「犬は何を感じているのか」「人は何を学ぶのか」という三つの視点から、里山で過ごす時間の楽しさを紹介します。
山で愛犬の表情が変わるのはなぜ?犬の「探索行動」と嗅覚の世界
山を歩いていると、いつもの散歩では見せない愛犬の表情に気づくことがあります。
落ち葉に鼻を近づけ、風の匂いを確かめるように立ち止まる。
耳を動かしながら周囲の音に集中し、ときには一点をじっと見つめる。
「何かを探しているようだ」
そんな姿を見て、不思議に思ったことはありませんか。
実は、このような行動は犬が優れた嗅覚を使って周囲の環境を調べる「探索行動」の一つです。山では街中よりも多くの自然の情報が残されているため、犬本来の能力がより発揮されやすくなります。
犬は「匂い」を通して周囲の環境を読み取っている
犬は散歩中によく地面や草むらの匂いを嗅ぎます。これは単なる癖ではなく、周囲の情報を集めるための大切な行動です。
街中では、他の犬のマーキング、人や自動車の往来、人工的な生活環境の匂い、などが主な情報源になります。
一方、里山では環境が大きく変わります。
そこには、野生動物が歩いた痕跡、草木や土の状態、風が運ぶ自然の匂い、雨や湿度による環境の変化、など、多様な情報があります。
人には静かな森に見えても、犬にとっては数多くの匂いが重なった情報空間になっていると考えられています。
「匂いを嗅ぐこと」は犬にとって自然な探索行動
犬は嗅覚を使いながら、自分の周囲で何が起きているかを確認しています。
近年では、犬が十分に匂いを嗅ぎながら散歩することは、精神的な刺激を与え、犬らしい行動を満たすことにつながると考えられています。
そのため、海外では、匂いを積極的に使う「ノーズワーク」や「スニッフィング」を取り入れたトレーニングも普及しています。
もちろん、山で野生動物を追わせることが目的ではありません。大切なのは、安全な環境の中で犬が自分のペースで周囲を観察し、嗅覚を十分に使える時間をつくることです。
愛犬の行動を観察すると、里山の生態系が見えてくる
山を歩いていると、犬が突然立ち止まることがあります。
その先をよく見ると、イノシシが掘り返した跡、シカが樹皮を食べた痕、鳥の羽、動物が通った獣道など、人だけでは気づきにくい自然の痕跡が見つかることがあります。
もちろん、犬が何を感じ取っているかを正確に知ることはできません。
しかし、犬の行動をきっかけに周囲を観察すると、里山には多くの生き物が暮らしていることに気づかされます。愛犬は、自然を案内してくれる存在でもあるのです。
「アース・スニッフィング」で、愛犬と一緒に自然を読み解く
私は、このような犬の探索行動を観察しながら里山を歩く体験を「アース・スニッフィング」と呼んでいます。
目的は犬を自由に走らせることではありません。犬が嗅覚を使って環境を調べる様子を観察しながら、飼い主も動物の痕跡や森の変化に目を向けることです。
犬と人が同じ景色を違う感覚で体験することで、普段の散歩では気づけない自然の豊かさが見えてきます。
「野営 with DOG」で体験する、犬と歩く里山
佐賀県唐津市厳木町の里山で開催する「野営 with DOG」では、犬の探索行動を尊重しながら、安全に自然を楽しむプログラムを実施しています。
<体験内容>
・手作りロングリードによる安全な散策
・イノシシやシカなど野生動物の痕跡観察
・犬の探索行動を見ながら学ぶアニマルトラッキング
・里山の自然環境についてのフィールドガイド
愛犬の行動を観察すると、山の見え方が変わります。
犬と一緒に歩く時間が、「散歩」から「自然を学ぶ体験」へと変わる一日を、厳木の森で過ごしてみませんか?
里山ハイキングガイドツアー「野営 with DOG」 愛犬とカヌーを漕ぎ出すように、里山のディープな自然へ共に踏み出すアドベンチャートラベル
次回予告
【第三部】一本のロープが、犬との距離を変える。ロングリードづくりから始まる「相棒」という関係
既製品を使うだけでは得られない、手作りロングリードの魅力と、犬と飼い主の新しい関わり方についてお話しします。
Tags: ジャックラッセルテリア