なぜ、私はビッグキーワードを追わないのか? 猟師の視点で考えるSearch Console

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なぜ、私はビッグキーワードを追わないのか?
猟師の視点で考えるSearch Console

ブリット野口です。

ウェブマーケティングの専門家やSEOコンサルタントは、よく「検索ボリュームの多い言葉を狙え」と言う。多くの人が歩く舗装道路、いわゆるビッグキーワードで上位表示できれば、アクセス数(PV)は増えるという理屈だ。
しかし、猟師の視点から言わせてもらえば、そんな見通しの良い道路に、私が本当に出会いたい「特定の大型獣」は現れない。
私がSearch Console(通称サチコ)の画面で血眼になって探しているのは、検索ボリュームが月に数回あるかないかの、藪に隠れた「マイナー獣道」である。
例えば、当ブログで密かに、しかし、確実に読まれているキーワードがある。

「仕様書再公示」「自転車活用推進計画」「肥前狛犬 厳木」

一般のサイクリストや市民が、日常的に「仕様書再公示」などという行政用語を検索するだろうか。そんなことはまずない。この言葉を検索しているのは、予算の壁や計画の改定に頭を悩ませ、他自治体の前例や現場のリアルな知見を求めている人たちだ。行政担当者、議員、まちづくりコンサルタント。つまり、地域を実際に動かす側の人間である。

サチコの画面で、これらの超マニアックなクエリの表示回数が「1」増えた瞬間、私の脳内にはデジタルなグラフではなく、厳木の泥の上がフラッシュバックする。
「昨晩、確かにあいつがこの藪を通ったな。」
誰も気付いていない、まだ表面化すらしていない地域の課題。そのインサイトを記事の底に静かに沈めておく。検索ボリュームはゼロでも構わない。ただ一人、その課題に直面した本物のターゲットだけが通る「マイナー獣道」に正確に罠を仕掛けておくのである。

 GA4は「足跡の深さと滞在時間」―生け捕りのフィッティング技術―
くくり罠猟において、私の目的は猪をただ仕留めることではない。傷をつけず、安全に生け捕りにすることだ。そのためには、相手の警戒心を解き、ミリ単位の精度で仕掛けを踏ませなければならない。ウェブに置き換えるなら、「生け捕り」とはページを開いた読者をすぐに離脱させず、その思考の中に深く入り込むことである。その成否を教えてくれるのがGA4の「平均エンゲージメント時間」だ。
当ブログの「BULLITT SATOYAMA LAB」のページでは、平均エンゲージメント時間が103秒(1分43秒)を記録している。一般的なウェブ記事では、数十秒で離脱されるケースも珍しくない。その中で100秒を超えて読まれているということは、単なる流し読みではない。読者が自分の課題として考え、内容を咀嚼している可能性が高い。

猟師で言えば、泥の上に残された深い足跡を見て、「これは大きな個体だな」「かなり長くここに留まっていたな」と読み解く感覚に近い。
では、なぜそんなことが起きるのか。そこには猟師の「擬装技術」がある。猪の歩幅を予測し、右足を落とす位置だけに踏み板を埋めるように、記事の導入部分には彼らが検索してきた「公式データの検証」や「行政の実証実験レビュー」といった、安心して読める事実を丁寧に並べておく。
役人や地域のキーマンは、「なるほど、堅実にデータを見ている記事だな」と警戒を解いて読み進める。そして、中盤で、誰も気付いていなかった現場の構造的なバグを提示する。
「しかし、この行政計画には、本質的な矛盾が存在する。」
その瞬間、読者は単なる情報収集ではなく、自分の問題として考え始める。平均エンゲージメント時間100秒超という数字は、その思考がホールドされた生々しい足跡なのだ。

鍋島で稼ぎ、厳木で思考を無限に回す
世間一般のビジネスは、資本や労働力、立地といった有限のコストの奪い合いである。現在、私の生活を支えている最大の稼ぎ先は、佐賀市鍋島にある自転車店だ。ここで日々、プロメカニックとしてお客様の自転車と向き合い、確実に手を動かして対価を生み出している。この現実の生業があるからこそ、私の足は地に着いている。そして、店舗を離れれば、考えることにコストはかからない。

鍋島では、モビリティの現実を扱う。厳木では、歴史遺構や狩猟の現場を歩く。この二つのフィールドを往復することで、デジタルなデータと泥臭い現場のリアルが、途切れることなく循環し続ける。だからこそ、派手なPVや流行の話題を追う必要がない。誰も気付いていないインサイトであるほど、インターネットの底に静かに沈めておく価値がある。地域が本質的な壁にぶつかったとき、既存の計画や綺麗事だけでは前に進めなくなったとき、彼らは必ず、あの「マイナー獣道」を血眼になって逆流してくる。そのとき、このブログには数年前から現場で検証し続けていたデータと仮説が静かに積み上がっている。

厳木のフィールドで過疎地の現実を体験
サチコで獣道を見定め、GA4で足跡の深さを測り、独自の仮説検証という罠を仕掛ける。この「里山ラボ」の試みは、誰に頼まれたわけでもない私的な実験である。しかし、この見えない罠の存在に気付き、ここまで読み進めてしまったあなたもまた、すでに私の仕掛けた罠に少しだけ触れているのかもしれない。

もし、 行政計画の本質的な課題を検証したい、地域資源の新しい活かし方を考えたい、自転車活用やモビリティの実証実験をしたい、まだ言語化されていない地方の課題を一緒に考えたい。そんな方がいれば、ぜひ声をかけてほしい。まずは、私の技術のベースキャンプである唐津市厳木町の里山ラボのフィールドで、過疎地の現実を目の当たりにするサイクルガイドツアーを体験してください。

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