【里山ラボ実証実験】E-bikeは『走るポータブル電源』になれるのか?里山ガイドツアーで見えた新しい可能性
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ブリット野口です。
里山ガイドツアーでは、景色や歴史を案内すること以上に、安全で快適な時間を提供することが重要です。しかし、実際にツアーを運営してみると、自然の中だからこそ、見えてくる課題がいくつもあります。
BULLITT SATOYAMA LAB(里山ラボ)では、「現場で困ることを、現場で解決する」という考え方のもと、佐賀県唐津市厳木町をフィールドに実証実験を続けています。
今回のテーマは「E-bikeは走るポータブル電源として活用できるのか?」
単なる電動アシスト自転車ではなく、ツアー全体を支えるエネルギーインフラとして活用できるのかを検証しました。
サイクルガイドツアーには意外と多い「電源問題」
里山ツアーでは、次のようなトラブルが意外と多く発生します。
・インカムを充電し忘れた
・ライトのバッテリーが途中で切れた
・Bluetoothスピーカーの電池残量が足りない
・モバイルバッテリーを持参し忘れた
街中ならコンセントがありますが、厳木の山奥には当然ありません。だからこそ、「出発時の充電忘れ」が、そのままツアー品質の低下につながってしまいます。
そこで、今回注目したのが、PanasonicのE-bike「XEALT(ゼオルト)」です。
E-bikeを「走るポータブル電源」として活用する
今回の実証実験では、XEALTの大容量バッテリーからUSB給電を行い、走行中に各種機材へ電力を供給しました。
給電対象は以下の3つです。
■ インカム(SENA BIKOM 20)
ガイドツアーでは、安全確保のためリアルタイムの情報共有が欠かせません。
・「車が来ます」
・「右へ曲がります」
・「この先は段差があります」
こうした情報を参加者全員へ瞬時に届けられるのがインカムです。山間部では携帯電話の電波が届かない場所もありますが、メッシュ通信なら通信環境に左右されません。そして、常時給電できることでバッテリー切れの心配もありませんでした。
■ リアライト(CATEYE RAPID micro AUTO)
山道は木漏れ日が続き、明暗差が非常に大きくなります。日中でもリアライトを点灯することで、自動車からの視認性は大きく向上します。
「点灯しようと思ったら電池切れだった」
そんなヒヤリハットを防げることは、安全面で非常に大きなメリットでした。
■ Bluetoothスピーカー(JBL Flip 4)
ガイドスポットでは、歴史や地域文化を解説する場面があります。その際、小型スピーカーを使用することで参加者全員へ均一に音声を届けられます。さらに、地域の自然音や環境音を演出に取り入れることで、里山の空気感そのものを体験してもらえる可能性も感じました。
E-bikeがツアー全体を変える
今回の実験で改めて感じたのは、E-bikeは「坂を楽に登るための乗り物」ではないということです。
① 体力差を小さくする
初心者と経験者では登坂速度が大きく変わります。しかし、電動アシストによって体力差が縮まり、参加者全員がほぼ同じペースで走行できました。待ち時間が減ることで、ツアー全体の流れも非常にスムーズになります。
② ガイドとの距離が近くなる
隊列が長くなると、一番後ろの参加者は説明を聞き逃してしまいます。インカムを活用することで、「全員が同じ体験を共有する」というガイド本来の価値を高められました。
③ 「電源管理」というストレスが消える
実際のツアーでは、「残り何%だろう?、モバイルバッテリーを持ったかな?、ライトは最後まで持つかな?」という小さな不安が積み重なります。
E-bikeから常時給電できる環境では、その不安がほぼ消えました。これは想像以上に大きな変化でした。
里山ラボの考察
今回の実証実験で感じたのは、「テクノロジーは自然を邪魔するものではなく、自然に集中するための道具になり得る」ということです。
充電を気にしなくていい。通信を気にしなくていい。ライトが消える心配をしなくていい。
そうした安心感があることで、参加者は目の前の風景や鳥の声、棚田の歴史、昔から残る林道など、本来味わうべき里山の魅力へ意識を向けられます。
テクノロジーの役割は目立つことではなく、不安を消すことなのかもしれません。
まとめ|E-bikeは「移動手段」から「里山インフラ」へ
今回の実証実験では、Panasonic XEALTを「走るポータブル電源」として活用することで、通信・安全・案内というガイドツアーに欠かせない装備を安定して運用できることを確認できました。E-bikeは単なる移動手段ではありません。
参加者の体力差を補い、通信環境を支え、電源を供給し、安全性を高める。言い換えれば、里山ツアー全体を支えるインフラとしての可能性を持っています。
BULLITT SATOYAMA LABでは、これからも「仮説を立て、現場で検証する」という実証実験を重ねながら、誰もが安心して里山を楽しめるガイドツアーづくりを進めていきます。
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