【自転車店主の草刈り学 第2回】刈刃の選び方とチップソー目立て|MTBタイヤの発想でフィールドを攻略する | 自転車のことなら佐賀市鍋島のサイクルショップブリットへ

【自転車店主の草刈り学 第2回】刈刃の選び方とチップソー目立て|MTBタイヤの発想でフィールドを攻略する

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ブリット野口です。

前回の記事では、マキタ23ccをベースにした「身体とマシンをシンクロさせる草刈機のポジション・本体セッティング」について、紹介しました。
本体(パワープラント)が決まったら、次に重要なのが「地面と草に直接コンタクトする刈刃(ブレード)の選定」です。

マウンテンバイク(MTB)の世界では、走るコースの路面状況(ドライ・マッド・ガレ場)に合わせてタイヤのブロックパターンやコンパウンドを変更します。
実は、草刈機の刃選びもこれとまったく同じロジックです。

今回は、プロメカニックの視点から「MTBタイヤの発想で選ぶ刈刃の最適解」と、作業効率を跳ね上げる「チップソーの目立て(研ぎ)の極意」を解説します。

1. なぜ「草刈刃の選定」は「MTBタイヤ選び」と同じなのか?
MTBでぬかるんだコース(マッド)をスリックタイヤで走れば、滑って転倒しますし、整備されたドライコースを重いマッドタイヤで走れば、無駄に体力を消費します。

草刈りも同様です。「草の密度・固さ・障害物の有無」というフィールドの条件に対して、最適な刃をセッティングすることで、エンジン負荷と作業疲労を最小限に抑えられます。

刈刃タイプ MTBタイヤで例えると 最適なフィールド・用途
チップソー XC(クロスカントリー)タイヤ 一般的な草地、広範囲のハイスピード巡航
多刃(ツムラL-52など) エンデューロ/オールマウンテンタイヤ 高密度な草、竹・茅(カヤ)が混ざるタイトな現場
ナイロンコード マッド(泥用)タイヤ 石飛びリスクのある場所、コンクリート・壁際

 2. 実戦で使い分ける「プロの刈刃セッティング」
私が現場でタコメーター(回転数計)を監視しながら検証し、辿りついた2つのブレードセッティングをご紹介します。

メイン巡航機:岩間ミラクルブレード + ジズライザー(ZAT-H20A)
軽量で回転抵抗が極めて少ない「岩間ミラクルブレード」に、安定感のある標準ジズライザー(H20A)を組み合わせた仕様です。
転がり抵抗の少ないXCタイヤのように、23ccエンジンのパワーをロスなく刃先に伝達。タコメーターで一定回転数をキープしたまま、広大な草地をスピーディーに薙ぎ払うことができます。

タイト・高密度機:ツムラ L-52 + ジズライザープロ(ZAT-H18A)
52枚という圧倒的な刃数を誇る「ツムラ L-52」に、小回りの利くジズライザープロ(H18A)を装着。
引っかかりやすい密生した草や細い笹・ツル地帯でも、ハイグリップタイヤのように確実に草を噛み込んで切り拓きます。
小ぶりのプロ型ジズライザーにより、複雑な地形でも刃先をタイトにコントロール可能です。

3. 自転車店主が教える「チップソー目立て(研ぎ)」の極意
多くの人がチップソーを「使い捨て」にしていますが、プロメカニックの視点から言えば「研ぎ直して角度を整えることで、新品以上のパフォーマンスを引き出す」ことができます。

研ぐ目的は、単に「切れるようにする」ことだけではありません。「切削抵抗を減らし、エンジン負荷と体の疲労を抑えること」が最大の狙いです。

目立てのポイント:「すくい角」と「逃げ角」
ダイヤモンド砥石やディスクグラインダーを使い、超硬チップの角を整えます。
1. すくい面(刃の表側):草を噛み込むアングルを均一に整える。
2. 逃げ面(刃の背側):カットした直後の抵抗を逃がす角度をキープする。

自転車のブレーキパッドの当たり面やチェーンソーの刃先を整えるのと同様、一定の角度でブレずに研ぐことで、刃が草に突入した際の「タコメーターの回転落ち(トルクドロップ)」が劇的に少なくなります。

プロが見極める「交換のデッドライン」
・チップの脱落・飛散:チップが1〜2個飛んだ程度ならバランスをとって研ぎ直せますが、連続して欠けている場合はベース台座への金属疲労が疑われるため即交換です。
・台座(台金)のクラック:チップの根元や水抜き穴周辺にヒビが見えたら、割れて重大な事故につながるため迷わず廃棄します。

まとめ:刃先を研ぎ澄まし、フィールドを攻略しよう
刈刃を「消耗品」として、適当に扱うか、「精密なギア」としてフィールドに合わせてセッティングし、手入れして使うか。

この違いが、作業時間の短縮と体の疲れに直結します。
・フィールドに合わせて「チップソー」と「多刃」を使い分ける
・地面との追従性を高めるジズライザー(H20A / H18A)を組み合わせる
・研ぎ出しによって切削抵抗を下げ、エンジン負荷を最小限に抑える
道具の特性を理解して最適化する楽しさを、ぜひ次の草刈りで体感してみてください。

次回は、障害物や際刈りで威力を発揮する「ナイロンコードの比較検証|タコメーターで見る太さ・形状とエンジン負荷の関係」について詳しく解説します!

【自転車店主の草刈り学 シリーズ一覧】
第1回:【自転車店主の草刈り学 第1回】草刈機の選び方とセッティング|23cc×3台体制で辿りついた究極のフィッティング
第2回:【自転車店主の草刈り学 第2回】刈刃の選び方とチップソー目立て|MTBタイヤの発想でフィールドを攻略する
第3回:【自転車店主の草刈り学 第3回】ナイロンコードの比較検証|タコメーターで見る太さ・形状とエンジン負荷の関係

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