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【約50日無雨の猛暑】草が枯れた?草刈り現場で起きたエンジン停止と「燃料保冷術」

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【約50日無雨の猛暑】草が枯れた?
草刈り現場で起きたエンジン停止と「燃料保冷術」

ブリット野口です。

「今年の夏は草があまり伸びない」
草刈りをしていて、そんなふうに感じている人も多いと思います。例年なら何度も刈らなければならない場所なのに、今年は草の勢いが違います。伸びる前に茶色くなり、場所によっては真夏とは思えないほど枯れたように見えます。
2026年の夏、佐賀県唐津市周辺では長期間ほとんど雨が降らず、猛暑が続きました。7月7日から8月下旬にかけて、降水量0.0mmの日が約50日続く異例の夏です。近くの溜池が干上がりました。

草が伸びなければ、草刈りは楽になる。最初はそう思っていました。実際に現場へ入ると、別の問題が見えてきます。
地面は硬い。乾いた草は刈りにくい。刃を地面に近づけると土煙が舞う。さらに、猛暑の中で草刈機のエンジンが止まり、再始動しないこともありました。
今年の草刈りは、単純に「草が伸びなかった夏」ではありません。約50日間の無雨が、草と土、そして、草刈りに使う道具まで変えていました。

草は本当に枯れたのか?
茶色くなった草を見ると、完全に枯れてしまったように見えます。地上部が枯れても、根まで死んでいるとは限りません。植物は乾燥が続くと成長を抑えます。地上部の活動を弱め、水分の消費を抑えながら、根や地下茎が生き残る場合があります。今は草が少なくても、まとまった雨が降れば状況は変わります。地下の根や地下茎が生きていれば、再び生長を始める可能性があります。
「今年は草が伸びないから、もう草刈りは必要ない」
そう判断するには、まだ早そうです。むしろ、注意したいのは、長い無雨のあとです。雨が降り、水分が戻れば、秋に向けて一気に草が伸びるかもしれません。

雨が降らない草刈りは、意外と大変だった
草の量は減りました。しかし、作業が楽になったとは言えません。
まず、地面が硬い。長期間雨が降らないため、土の表面まで乾き切っています。草刈機の刃が少し地面に触れるだけで、細かい土煙が一気に舞い上がります。
次に、草が硬い。水分を失った茎は柔らかくありません。乾いた草が刃に絡み、場所によっては普段より刈りにくく感じます。
土煙も厄介です。視界が悪くなるだけではありません。細かいほこりを吸い込むため、草刈機のエアフィルターも普段以上に汚れます。
今年の夏は、「草が伸びない=草刈りが楽」という単純な話ではありませんでした。草の状態が変われば、作業の内容も変わります。

猛暑の草刈りで、エンジンが止まる
もうひとつ困ったのが、草刈機のエンジンです。気温35℃を超える日に、直射日光の下で草刈りを続ける。エンジンは自分で熱を出しています。そこへ外気の暑さと直射日光が加わります。エンジン本体だけでなく、燃料タンクや燃料ホース周辺もかなり高温になります。作業中に突然エンジンが止まる。リコイルスターターを何度引いても、なかなか再始動しない。しばらく休ませると、またエンジンがかかる。
猛暑の現場では、こんな現象が起きることがあります。もちろん、エンジン停止の原因はひとつではありません。
エアフィルターの詰まり。燃料フィルターの汚れ。プラグの状態。キャブレターの不調。
確認する場所はいくつもあります。猛暑日に長時間使ったあとで止まり、少し冷えると再び始動する。猛暑の中でエンジンが止まったときは、故障だけを疑うのではなく、燃料の過熱によるベーパーロックやパーコレーションも原因のひとつとして考えられます。

ベーパーロックとは何か
高温になると、燃料ホースや燃料フィルターなど、燃料が通る途中でガソリンが気化しやすくなります。液体だった燃料が気化すると、燃料経路の中に気泡ができます。この気泡が燃料の流れを妨げ、キャブレターまで十分な燃料が届かなくなることがあります。これがベーパーロックです。
簡単に言うと、燃料は残っているのに、途中で気泡ができて燃料がうまく流れなくなる状態です。エンジンから見れば、燃料不足に近い状態になります。その結果、出力が落ちたり、突然エンジンが止まったりします。

パーコレーションとは何か
高温時に起こりやすいのがパーコレーションです。キャブレター周辺の温度が上がると、内部にある燃料が過度に気化することがあります。本来は一定の状態でエンジンへ供給されるはずの燃料が、高温によって気化し、燃料供給の状態が乱れます。燃料が濃くなりすぎたり、始動しにくくなったりする原因になります。一般的に「エンジンが熱いうちはかからない」「少し冷ますとかかる」という症状の一因として知られています。

ベーパーロックとパーコレーションは同じ現象ではありません。
ベーパーロックは、燃料経路にできた気泡が燃料の流れを妨げる現象。
パーコレーションは、キャブレター周辺などで燃料が熱によって気化し、燃料供給の状態が乱れる現象です。
どちらにも共通しているのは、「燃料が熱くなりすぎること」です。今年の猛暑の草刈りでは、この「燃料の温度」を意識するようになりました。

混合燃料をクーラーボックスで冷やしてみる
現場で試しているのが、予備の混合燃料をクーラーボックスに入れておく方法です。特別な道具は必要ありません。普段から使っているクーラーボックスに保冷剤を入れ、その中に予備の燃料容器を入れておきます。給油する直前まで、できるだけ燃料の温度を上げない。それだけです。炎天下の車内や現場に燃料を置いておけば、容器そのものがかなり熱くなります。せっかくエンジンを休ませても、次に給油する燃料まで熱くなっていれば、燃料系への負担は減りません。

冷やした燃料を給油すれば、ベーパーロックやパーコレーションを完全に防げるわけではありません。それでも、燃料を必要以上に高温にしないための対策にはなります。草刈りの現場では、人間だけでなく道具も暑さにさらされています。作業者には冷たい飲み物。クーラーボックスには冷やしタオルや保冷剤。その中に、適切な容器に入れた予備燃料も保管する。人と道具の暑さ対策を、一緒に考える方法のひとつです。

※燃料は危険物です。必ず適切な燃料容器を使用し、漏れや容器の破損に注意してください。給油はエンジンを停止し、火気のない安全な場所で行います。

雨が降ったあとに備えて、刈払機を整備する
草が伸びない時期は、草刈りの回数も減ります。その時間を、秋の草刈りに備える期間にできます。
まず、エアフィルター。今年のように土煙が多い現場では、普段以上に汚れています。
刃の状態も確認します。乾いた硬い草を刈る機会が増えれば、刃の摩耗も進みます。
プラグや燃料フィルターも点検しておきたいところです。
長い無雨が終わり、まとまった雨が降れば、草の状態は一気に変わるかもしれません。
「最近は草が伸びないから大丈夫」
そう思っている間に、次の草刈りシーズンが始まる可能性があります。草が伸びない今のうちに道具を整えておく。今年のような夏には、そんな準備も必要だと感じています。

まとめ|人間だけでなく、燃料も道具も暑さ対策が必要だった
約50日間続いた無雨と猛暑。草が伸びないという変化は、すぐに目で分かりました。現場で作業すると、さらにいくつもの変化が見えてきます。
地面は硬くなる。乾いた草は刈りにくくなる。土煙が舞う。草刈機も高温になる。
草が枯れたように見えても、地下では根や地下茎が生き残っているかもしれません。まとまった雨をきっかけに、再び草が伸び始める可能性もあります。猛暑の中でエンジンが止まったときは、故障だけを疑うのではなく、燃料の過熱によるベーパーロックやパーコレーションも原因のひとつとして考えます。
だから、今年は混合燃料をクーラーボックスで保冷する方法を試しています。特別な裏技ではありません。暑い場所に置けば、人間も道具も燃料も熱くなる。その当たり前のことを、今年の猛暑の草刈りで改めて感じました。

草を見る。土を見る。天気を見る。草刈機の調子を見る。そして、燃料の温度にも気を配る。
異常な暑さが続く年ほど、いつもの草刈りにも、いつもとは違う工夫が必要になりそうです。

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