【唐津カフェ】相知町「Catnap coffee」(キャットナップコーヒー)の自家焙煎珈琲と受け継がれた想い
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ブリット野口です。
愛車のミニベロに跨がり、厳木川のせせらぎを聞きながら風を切る。
佐賀県唐津市相知町町切の風景を走り抜けるこのコースは、私にとって日常のルーティンだ。
数年前まで町の電気屋だった場所に、小さな看板と猫のイラストが出ているのを見つけ、ドアの隙間から漂う焙煎の香りに導かれて扉を開けたあの日から、早いもので2年が経つ。
「自転車のついで」ではなく、「あの珈琲を買いに行くこと」そのものが、2週間に一度の楽しみに変わっていた。
■ 2年通う中で深まった「Catnap coffee」との時間
最初は「素人なんです」と控えめに微笑んでいたお母さんと娘さん。
しかし、通うたびに購入する自家焙煎の珈琲豆や店内で淹れてもらう一杯は、どんどん味わい深く、凛としたコクと優しさが深まっていった。
小さめの焙煎機に向き合う真摯な姿や、おすすめの豆や淹れ方を教えてくれるときの柔らかくもどこか芯のある眼差し。
店内にはいつも、店名の由来でもある「猫がうたた寝(catnap)するような」穏やかでゆったりとした時間が流れていた。
■ 明かされた開店の経緯〜一杯の珈琲に込められた「約束」〜
通い始めて数カ月が経った頃、お店の誕生にまつわる経緯を詳しく伺う機会があった。
佐賀県唐津市相知町にある「Catnap coffee(キャットナップコーヒー)」は、元々、コーヒーの勉強を熱心にされていた長女の平 由宇(ゆう)さんが開くはずだった、夢のお店だった。
「いつか自分のカフェをオープンさせたい」という夢に向かって歩んでいた由宇さんだったが、病気にかかり、治療を余儀なくされた。過酷な治療を頑張るための希望の光として、ご家族はカフェのオープンを目指して共に準備を進めていたという。しかし、2024年のオープンを前に、由宇さんは逝去された。
残されたご家族の胸にあったのは、由宇さんのコーヒーに対する強い想い。
「由宇の夢を、ここで終わらせたくない」
お母さんと妹さんはその強い想いを受け継ぎ、2024年、この町切の地に「Catnap coffee」をオープンさせた。
■ 受け継がれた想いが紡ぐ、温かい自家焙煎コーヒー
その話を聞いたとき、この店に流れる温かく静かな空気の理由が理解できた。
「Catnap coffee」の珈琲がこれほどまでに温かく心に染みるのは、由宇さんが抱いていたコーヒーへの情熱と、それを受け継いだご家族の強い想いと約束が、あの一杯の中にギュッと凝縮されているからだ。
うたた寝するように心和むこの空間は、由宇さんの夢が今も息づき、ご家族の手によって大切に育まれ続けている場所なのだ。
■ おわりに:これからも相知町町切の風を感じて
会計を済ませ、焙煎された豆の入った袋をリュックに詰める。
「いつもありがとうございます」と見送ってくれるお母さんと妹さんの笑顔には、2年前よりも確かな頼もしさが宿っている。
自転車に跨がり、ゆっくりとペダルを漕ぎ出す。
リュックから漂う香ばしい香りが、背中を優しく押してくれる気がした。
由宇さんの夢が灯した明かりは、今日も相知町町切の風の中で、訪れる人の心を優しく照らしている。
また2週間後、私はこの風を感じながら、あの扉を開けに向かうだろう。
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Tags: CATNAP COFFEE, 珈琲